社労士(社会保険労務士)

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健康保険法   3

【任意継続被保険者(2)】
【傷病手当金の支給要件(1)】
【傷病手当金の支給要件(2)】
【高額療養費(1)】
【高額療養費(2)】
【高額療養費(3)】
【傷病手当金と労災の休業補償給付】
【傷病手当金の支給調整】

【任意継続被保険者(2)】

任意継続被保険者になるための資格要件の1つに、
「継続して2月以上被保険者(日雇特例被保険者、
任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く)であったこと」とあります。
つまり、公務員の職にある方は、
公務員を辞めると一般のサラリーマンのように、任意継続被保険者になれないのでしょうか。
それとも共済制度で別途担保されているのでしょうか。


 公務員など、共済組合から給付を受ける場合は、
健康保険の任意継続被保険者の制度は利用できません。
これは元々健康保険の制度を利用できなかったわけですから、このような取り扱いになります。
共済組合に加入している人にも
健康保険の任意継続被保険者に相当する制度が用意されていますので、その制度を利用することになります。
ただ、共済の場合は国家公務員共済組合とか、
地方公務員共済組合とかそれぞれの共済組合により制度の仕組みが独自に作られていますので、
一概に言えないところがあります。

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【傷病手当金の支給要件(1)】

 傷病手当金の支給要件で、
「任意継続被保険者の資格を喪失した者にあっては、その資格を取得した日」とありますが、
ここの箇所の意味が理解できません。


 傷病手当金又は出産手当金の継続給付のところなどに出てくるものなのですが、
例えば、傷病手当金を被保険者であるときから受け続けていて、
退職後(資格喪失後)も傷病手当金を受け続けられるには、どういった条件が必要ですか?というときに出てきます。
 要件としては、わかりやすくいうと、
退職日までの在職期間中に健康保険の被保険者であった期間が引きつづき1年以上あることが必要なのです。
これが被保険者の資格を喪失した日の前日(退職日)までに引き続き1年以上という要件です。
今回のご質問の任意継続被保険者の資格を喪失したものにあっては、
「その資格を取得した日」というのは、その資格(任意継続被保険者の資格)を取得した日というのは、
在職中の健康保険の被保険者資格を喪失した日とイコールなのです。
(詳しくは図解でご確認ください。)
このカッコ内の規定は、
退職後傷病手当金の継続給付を受けると同時に引き続き任意継続被保険者として、
健康保険に入っている場合、例えば、保険料の納付を怠ると任意眷属被保険者の資格は喪失します。
そのときにそれまで受け続けていた傷病手当金は、もう受けられないのか?という問題が起こります。
このときに任意継続被保険者の
資格取得日の前日(つまり前の会社の退職日)までの「在職中の」健康保険の被保険者期間が引き続き1年以上なら、
任愛継続被保険者資格喪失後もなお、傷病手当金の継続給付が受けられますよ。という意味になります。

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【傷病手当金の支給要件(2)】

会社の人が、休職で傷病手当金を受給されて7か月になります。
もうすぐ復職するのですが、
例えば1年、会社から給与を支給され、その後また同じ病気が再発したとすれば、
1年6か月経っていますので傷病手当金を受給することは出来ない事になるのでしょうか?


 ご質問のケースでは、傷病手当金の「当初の支給開始日」から1年6ヶ月経過していますので、
残念ながら傷病手当金は受給できなくなります。
この1年6ヶ月というのは、あくまで暦日数でみるので、
途中で会社から給与が支払われて傷病手当金が支給停止されていても、
1年6ヶ月という期間の長さは変わらないのです。
したがって、支給停止されていた日数分受給できる期間の限度が延長されることもありません。
なお、試験対策上注意する点としてこの1年6ヶ月という期間は、
療養開始日からの起算ではなく、「傷病手当金の支給開始日」から起算するという点をご注意ください。
この点を試験問題はよく引っ掛けてきます。

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【高額療養費(1)】

 70歳未満の高額療養費の場合、
被保険者及びその被扶養者の1人ごとに、各月ごと一時負担金等が21,000円以上の場合に世帯合算される
とテキストに記載がありました。
例えば、世帯1人Aが、同一の総合病院にて、
その月に、肺炎(30,000円)と虫歯(15,000円)という因果関係のない治療があった場合、
高額療養費の合算対象金額は4肺炎30,000のみとなるのでしょうか。
自身の解釈としては、各人が同一疾病ごとに分けて、21,000円以上のものだけ合算するものと理解しております。
[70歳以上の高額療養]の場合でも、21,000円の基準の有無のちがいと理解しているのですが・・・


 はい、そのとおりです。
70歳未満である場合は、今回の例では、肺炎の30,000円(21,000円以上)だけが世帯合算の対象です。
例えば、一般の所得世帯だと、高額療養費算定基準額の80,100円+(医療費-267,000円)×1%に届かないので、
当該月の高額療養費は支給されない結果となります。
この場合が、もしも、両方の一部負担金とも、21,000円以上であれば、
同一人物で肺炎と虫歯という別々の疾病という場合でも世帯合算できます。

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【高額療養費(2)】

高額療養費の算定について、
「入院療養にかかる一部負担金の額又は当該超えた額は現物給付される。」とありますが、
この現物給付という言葉の意味が良く理解できません。


 ここはかなりの応用のところになり、難度が高いところです。
解説をしますと、原則として高額療養費は、
一部負担額のうち、高額療養費算定基準額を超える金額の部分はすべて現金給付になる制度なのですが、
例外として「入院」をした場合の高額療養費は、高額療養費としての金額の一部が、「現金給付」になる場合があります。
「入院」というものが絡めば、70歳未満でも70歳以上でも考え方は一緒です。
例えば、70歳未満・低所得者の被保険者Aさん(以下「Aさん」といいます)が、
1ヶ月での一部負担額が、Ⅹ病院外来分40,000円、Y病院「入院分」50,000円かかるとします。
本来Aさんは一部負担額合計90,000円を支払わなければならないのですが、
低所得者の算定基準額35,400円(P567参照)を超える金額、が高額療養費として支給されるはずです。
その金額は、90,000円-「35,400円」=54,600円が高額療養費として支給される金額になります。
(※70歳未満での世帯合算はそれぞれの一部負担が21,000円以上の場合に限られる。この例はその条件を満たしています。)

しかしながら、「入院」が絡むと、この54,600円の一部は、「現物給付」として支給される仕組みになっているのです。
具体的には、高額療養費54,600円のうち、
算定基準額35,400円からこの例の入院一部負担額50,000円までの部分
(50,000円-35,400円=14,600円)は現物給付、
残りの54,600円-14,600円=40,000円が現金給付として支給されます。
 入院にかかる一部負担額までの部分を現物給付としている理由は、
現金給付だと社会保険事務所や健康保険組合の事務所に出向いて手続きをし、
後で現金の払い戻しを受けるということになります。
それが、入院をしている状態だと、病気や怪我の症状が重い場合には、
その手続きに行くことすらできないような場合も考えられるため、
病院における現物給付の方式で支給するという形をとっています。
なお、イメージするのが難しい所なので、図解を用意させていただきました。

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【高額療養費(3)】

 70歳以上の高額療養費の算定に関して
「外来療養にかかる高額療養費算定後、
なお残る自己負担額は世帯単位の高額療養費の算定の基礎に含まれる。」
という文章の意味が全く理解できません。


 70歳以上の高額療養費は外来のみでの高額療養費から優先して算出し、
それでもなお、高額療養費による保護が必要ならば、さらに支給するという仕組みになっています。
例えば、被保険者Aさん70歳以上と被扶養者Bさん70歳以上の「一般所得世帯」で

被保険者Aさん ・・・ 外来 一部負担額 50,000円
被扶養者Bさん ・・・ 入院 一部負担額 90,000円の場合で説明します。

① まず外来分の高額療養費を出します。
 被保険者Aさん 50,000円 - 24,600円(一般の算定基準額) = 25,400円 ・・・ 外来分の高額療養費①

② 次に入院分の高額療養費を出します。
 被扶養者Bさん 90,000円 - 62,100円(一般の算定基準額) = 27,900円 ・・・ 入院分の高額療養費②
(現物給付=一部負担の90,000円までの範囲)

③ これまでの一部負担額の合計を出して、なお高額療養費が必要であれば、
さらに高額療養費が支給される。
この世帯にとっては、
今まで出てきた算定基準額の
24,600円+62,100円 = 86,700円がまだ一部負担額として残ります。
これではまだ負担が多いですね?
更に次の額を高額療養費を支給します。
86,700円 - 62,100円(一般の算定基準額) = 24,600円 ・・・ 世帯合算分の高額療養費③
この62,100円という算定基準額は、
②の入院のときと③の世帯合算のときの両方に用いる数字です。
高額療養費の額 = ① + ② + ③
= 25,400円 + 27,900円 + 24,600円 = 77,900円となります。

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【傷病手当金と労災の休業補償給付】

 傷病手当金の労災休業給付との調整についてお尋ねします。
健康保険は、業務外が対象範囲のはずですが、
傷病手当の方が休業補償給付よりも多いときは差額給付とあります。
傷病手当金については、業務上・通勤途上の場合でも保険対象なのでしょうか。


 業務災害により労災の休業補償給付をうけている間に
「別の傷病」により傷病手当金の支給要件を満たしている場合は両方とも受給できそうですが、
原則は労災の給付を優先します。
しかし、例外として、
休業補償給付(給付基礎日額の60/100)よりも傷病手当金(標準報酬日額の2/3)の方が大きい場合は、
その差額を「傷病手当金」として労災の休業補償給付とあわせて支給します。
労災の給付率が「60/100」健康保険の給付率が「2/3」なので、
健康保険の傷病手当金の方が高額になってしまうことがあります。
受給する人にとってもこの差額があるならこれも受給できるほうが得ですからね。

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【傷病手当金の支給調整】

 健保法108条4項、健保令37条、38条ーH17-6C問題で
『適用事業所に使用されるもの常勤職員であって
傷病手当金の支給を受けることができる者が、
老齢基礎年金と老齢厚生年金の支給を受けることができるときは、
老齢基礎年金と老齢厚生年金の合算額を360で除して得た額が、
傷病手当金の日額より少ないときは、その差額が傷病手当金として支給される。』
答えは×なのですが、解説が理解できません…
すいませんがわかり易く教えて頂けると助かります。


 この問題のポイントは、問題文の冒頭の「適用事業所に使用される常勤職員」というところです。
ということは、この人は働いていらっしゃるということですよね?
働いている間の収入源は、「報酬」ですから、
原則として、報酬が事業主から支給されているときは、傷病手当金は支給停止されます。
もし、その時の報酬が傷病手当金の日額(標準報酬日額の3分の2)より少ない場合は、
傷病手当金と「報酬」の差額が諸病手当金として支給される。ということになります。
 この問題では、「老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額」のことが書いてありますが、
結論から言うとこの部分が誤りとなるのです。
では、「老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額」と傷病手当金の規定はどういった場合に用いられるのでしょうか?
 「老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額」と傷病手当金の規定は、
「資格喪失後の継続給付として傷病手当金を受給している人」のときに、用いられるのです。
つまり、この規定は、適用事業所を退職して収入の手段が「老後の年金」となっている人のための規定なのです。
したがって、この問題の設定のように、
今まさに健康保険の適用事業所に使用されて働いている状態の人に
この規定を用いるということはおかしいということになるのです。

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